室屋義秀がエアレース2勝目。「王者の勝ち方」に次戦・千葉も期待大 (4ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by red bull

 室屋がなかなかファイナル4の壁を破れなかった2年前、彼の挑戦をことごとく退けてきたのが当時の年間総合チャンピオン、ポール・ボノムだった。ファイナル4になるといつもタイムを落とす室屋を尻目に、ボノムは逆にタイムを上げてきた。

 まるでボノムみたいでしたね――。そんな言葉をかけると、室屋は口元にわずかな笑みを浮かべて語った。

「ラウンド・オブ・8までは、そんなに無理をしなくてもいいかなという感じだったが、ファイナル4では自信を持って(少し無理をして難しいラインに)挑んだ結果、ほぼ計算通りにタイムが縮んだ。この感じで飛べれば、今後のレースでも展開は楽になると思う」

 この日のレースに関しては、圧勝と表現しても構わないだろう。室屋も「突き抜けた感じはある。ホントに強い勝ち方、勝ち続けられる勝ち方になってきたと思う」と、2度目の優勝に手応えを隠そうとしない。

サンディエゴの街を背に、室屋は圧巻のフライトを見せたサンディエゴの街を背に、室屋は圧巻のフライトを見せた もちろん、だからと言って、これから先も室屋が簡単に勝ち続けられるほど、レッドブルエアレースは甘い世界ではないだろう。今回のレースを見ても、現在のレッドブルエアレースは混戦状態にあるのが分かる。予選の順位をもとに上位と下位とが対戦するラウンド・オブ・14では、全7ヒート中4ヒートで予選下位のパイロットが勝利しているほどだ。

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