インディカーで開幕2連勝。急に強くなったホンダは何が変わったのか (3ページ目)

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano 松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 2.2リッターV6ツンターボエンジンのパフォーマンスでも、ホンダはシボレーに差をつけているようだ。具体的な数字は掴めていないが、ピークパワーでリードし、ワイドレンジでパワーを出せていることで、ドライビングのしやすさという優位も得ていると思われる。さらにホンダエンジンは、以前から燃費のよさに定評があり、それもアドバンテージになっている。

 今年からホンダは供給チーム数が大幅に増加した。特に最強豪チームのひとつ、チップ・ガナッシ・レーシング・チームズ(4台体制)がシボレーから復活移籍してきたことで、ユーザー層が飛躍的に厚くなった。フルシーズン出場21台のうち、ホンダは13台でシボレーは8台。ガナッシの経験豊富なドライバーたちからのフィードバックも武器となり、ホンダのエアロキットは一層ポテンシャルが引き出されるようになった。

 彼らの声はもちろんエンジンの開発にも役立つ。逆にシボレー軍団は、昨年の王者であるチーム・ペンスキーに対する依存度が極めて高くなってしまった。ペンスキーのパフォーマンスが悪ければシボレーに勝ち目はない......と言っていいほどの状況に陥っている。

 2013年に優勝するなどロングビーチを得意とする佐藤琢磨(アンドレッティ・オートスポート)の第2戦にも触れておこう。予選直前のプラクティスで2番時計を記録したが、予選結果は18位と振るわなかった。セッティング、ドライビングともにミスがあったためだ。

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