インディカーで開幕2連勝。急に強くなったホンダは何が変わったのか (2ページ目)

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano 松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 いったいホンダの何が変わったのか?

 まずは各チームとドライバーがエアロキットに習熟してきた点が挙げられる。ルールにより今年はエアロキットの設計変更が許されていないので、全チームが去年と全く同じマシンで戦っている。ホンダは去年、ストリート及びロードコースでは1度も勝てなかったので、今年も苦戦が続くと思われていた。ところがフタを開けてみると、ホンダ勢が開幕から2連勝。シボレーと立場が完全に入れ替わってしまった。

「エアロキットが導入されたのは2015年。その年に苦戦した我々は、去年から新しいデザインを採用することが許可された。2016年型エアロキットで性能向上は果たしたが、ユーザーチームはまだそれらを完全に理解し、使いこなすことができていなかった。しかし、1シーズンを戦って得たデータやノウハウ、このオフの間に行なったテストや開発作業のおかげで、ユーザーチームはマシンに対する理解度を深め、戦闘力を高めることができた」

 アメリカン・ホンダのレース担当会社HPD(ホンダ・パフォーマンス・デベロップメント)社長、アート・セント-シアーはロングビーチでそう語っている。ホンダユーザーチームは、エアロパーツの微妙なセッティングのコツを掴み、マシンを去年までと比べて明らかに速く、そして安定させることに成功したのだ。

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