F1をすっぽかしてインディ500を走るアロンソにパドックの反応は? (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 アロンソがすっかり今季のレースにモチベーションを失ってしまっていることは先刻承知だったが、まさかこのような無責任な行動に出るとは予想できず、チームとしてもそれをとがめるどころか、チーム一体となってインディ500に参戦することになるとは思わなかった。

 しかし、今回の件に関しては、アロンソがモナコGPを欠場するという以外のF1への影響はないとチーム関係者は断言する。

「レース運営に関してはアンドレッティ・オートスポーツが行ない、マクラーレンのレースチームから人が行くこともない。エンジン側に関しても(アメリカホンダの子会社である)HPDが担当するもので、F1開発部隊には一切影響はない。今回のインディ500出場によって我々のリソースが削がれたりF1活動に支障が出ることは一切ない」

 話の発端となったのは開幕戦メルボルンでのちょっとした雑談からで、本格的に話が進んだのは中国GPの週末になってからのことだった。

「オーストラリアGPの週末に夕食をともにした際に、僕はドライバーとしての将来設計を語り、ザック(・ブラウン/エグゼクティブディレクター)はマクラーレンの活動を他のカテゴリーに拡大させたいといった希望を語り、ビジョンを共有し合ったんだ。最初はそんなカジュアルな会話から始まったことなんだ」

 アロンソはそう説明したが、メルボルンの時点ですでにこの件はホンダの耳にも入り、具体的な動きが始まっていたという。そして中国GPの土曜、アロンソは正式に参戦を決意し、翌日曜日には話がまとまってバーレーンGP直前の水曜発表という日程まで決まった。

 チーム関係者によれば、このプロジェクトは明暗含めてさまざまな要素が合致した結果、実現できたことだという。

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