F1をすっぽかしてインディ500を走る
アロンソにパドックの反応は?
一方、日程が重なっているモナコGPを欠場してまでインディ500に参戦するというのが、批判的な声の最大にして唯一の理由だ。
2015年にル・マン24時間耐久レースにスポット参戦し、優勝を飾ったニコ・ヒュルケンベルグ(ルノー)はこう語る。
「もしF1を欠場しなければならないなら、僕は絶対にやらなかっただろう。僕はインディもオーバルもよく知らないけど、乗ってすぐに勝てるようなものじゃないはずだ」
アメリカのチームであるハースの一員で、かねてからハースが参戦するNASCAR(アメリカ最大のストックカーレース)への出場に興味を持っているロマン・グロージャンも、あくまで本業はF1であり、その本業をおろそかにしてまで他のカテゴリー参戦はあり得ないと明言した。
「僕はやらない。100%F1に集中し、ハードにプッシュしているからね。僕はチームのために全力を捧げている。僕だってNASCARでレースをしてみたいとは思うけど、今はチームのために全力を尽くすべきだと思っている。もし100%コミットしていたら、そんなことはできないよ。他のレースをやりたいなら、F1を引退してからやればいい」
筆者自身、この事実を知らされたときにまず感じたのは、「本業であるF1がこの体たらくであるにもかかわらず、アロンソ自身だけでなくマクラーレンもホンダもどうしてこのような暴挙を許したのだろうか?」という疑問だ。ましてや、パワー不足からくる戦闘力不足が明らかな今季のマクラーレン・ホンダにとって、モナコGPは最大のチャンスだったはずなのだ。
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