ホンダと腹を割って話したアロンソ。だが「鬼の走り」はまたも実らず (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

「僕らには失うものがない。だからアグレッシブにリスクを冒していくんだ。それがうまくいけばヒーローになれるし、失敗しても失うものはないんだからね」

 アロンソが常日頃から口にしている信条を体現した走りだった。

 気づけば3強チーム5台の後ろの6位。トロロッソのカルロス・サインツにはすぐに抜かれてしまったが、その後はフォースインディアのセルジオ・ペレスを巧みに抑えて7位をキープし続けていた。

「アメージングだよ。メルボルンでも言ったことを繰り返したくないけど、今回も僕のキャリアでベストなレースのひとつだと思う。チャンスを最大限に生かすことができた。僕らがどんなチャンスでも掴んでやろうとハングリーなんだということを証明するいい機会になったね」

 しかしその奮闘虚しく、アロンソのマシンは33周で左リアのドライブシャフトが壊れてリタイアを余儀なくされた。

 この箇所は土曜日の夜にも同じ部品を交換しており、突発的な問題ではなかったことがうかがえる。加えて、チームはいまだにフロアやサイドポッドの破損として事実を隠そうとしているが、開幕戦でリタイアした原因もサスペンションが折れたことにあった。

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