アロンソ離脱説が再燃。ホンダに迫り来る「最終リミット」はいつだ? (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 一方でホンダは、一連の騒動の間にマクラーレン側と3度にわたって青山(ホンダの本社所在地)とウォーキング(マクラーレンの本拠地)で会談を持ち、HRD Sakuraの体制に変更を加えることを決め、これがマクラーレン側にとっても満足のいくものとなり、両者の関係は改善に向かったという。

 長谷川体制になってからはヨーロッパを中心とした外部の人材獲得も積極的に進めてきていたが、従来の体制では大企業ゆえの意思決定の遅さやサラリーマン的体質といったF1を戦ううえでの弊害があり、開発も運営もスムーズに進まなかった部分があったという。しかし、レースをよく知る人物をHRD Sakuraと青山本社の橋渡し役としてそのトップレベルに据えることで、トップダウンで物事がスムーズに進むようになった。

 ホンダ関係者によれば、この体制変更によってホンダ内にはかなりアグレッシブでレーシングな雰囲気が強くなったといい、「マクラーレンの提携解除騒動による外部からのプレッシャーによって、こうした組織再編が行なわれたことは、結果的に我々にとってよかったのかもしれない」という。

 とにかく、これによってどれだけホンダの開発スピードアップが進むかが、アロンソ去就のカギとなる。

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