2017.03.29

現状はザウバーのちょっと上。
開幕戦ではっきりしたF1ホンダの戦闘力

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 車体面でも、コーナリング時の不安定でバタバタとした落ち着かない挙動が目についた。

「開幕空力パッケージ」と称して持ち込まれたのはわずかに3つの小さなパーツのみで、それも最大の効果を発揮すると思われるバージボード(※)前端のアーム型ステーは1セットしか間に合わず、アロンソ車だけに装着された。しかし、MCL32が抱える問題を根本的に解決するようなアイテムとは到底思えなかった。

※バージボード=ノーズの横やコクピットの横に取り付けられたエアロパーツ。

 チームのあるエンジニアは症状をこう語る。

「マシンの傾向としては、依然としてアンダーステア。タイヤを温められないのが、その原因になっている。温まってきたと思ったら、今度は(タイヤ表面だけが)オーバーヒートしてリアが不安定になってしまう」

 最新の情報では、エンジン全開率と空気抵抗が大きくなった2017年のマシンでは、パワーがラップタイムに与える影響は0.2秒/10kW(約13.4馬力)だという。仮にホンダのパワーユニットがメルセデスAMGより100馬力劣っていたとしても(現実にはそこまでの差はないが)、ラップタイムは1.49秒差にしかならない。Q2での首位バルテリ・ボッタスとの差2.2秒は、車体とパワーユニットの双方の性能が同じように劣っているせいで生み出されたものだということがわかる。