F1ホンダのホンネ。真の問題は
「信頼性じゃなく、コースで遅いこと」

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 昨年のスペインGP予選タイムと比較すると、ターン1以外は全開のセクター1は、空気抵抗が増えて最高速が鈍ったぶんだけ遅くなり、多くのマシンが0.3~0.5 秒落ち。マクラーレン・ホンダも0.487秒の低下となっている。コーナーとバックストレートが半々のセクター2は、多くのマシンが1.3~1.5秒の短縮を果たしているなかで、マクラーレン・ホンダは1.190秒の短縮だった。

 そんななか、コース全体で3.5~4.5秒ものタイムアップを果たした大きな要因となっているのが、最終コーナー以外は中速・低速のコーナリングばかりが続くセクター3だ。

 車体とタイヤがワイド化された恩恵がもっとも表れるそのセクター3で、多くのマシンが2.5~2.9秒ものタイムアップを果たしているなか、マクラーレン・ホンダは1.789秒しかタイムが伸びていない。最終コーナーから全開で立ち上がった先のコントロールライン通過スピードはトップと10km/hしか違わず、最終コーナーからの300m程度の全開区間だけでこの差がついたとも考えにくい。

 つまり、車体レギュレーションによるダウンフォース増やタイヤグリップ増が効果を発揮し、パワーや空気抵抗の影響がもっとも少ないはずのセクター3で、マクラーレン・ホンダの伸びしろだけが小さいのだ。

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