F1ホンダのホンネ。真の問題は「信頼性じゃなく、コースで遅いこと」 (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 しかし、そんな先入観が真実をうやむやにしている――。マクラーレン・ホンダが下位に低迷しているのが、あたかもパワーユニットの信頼性不足のせいであるかのような目で世間は見るが、それでは問題の本質は見えてこない。

 最後の3日間をノートラブルで走行したことからもわかるように、パワーユニットにこれといった信頼性の不安は見つかっておらず、1週目に起きたトラブルへの対策の効果も確認されている。車体ハーネスの問題にしても水漏れにしても、部品を手直しするだけで対策できる類(たぐい)のものだ。

 マクラーレン・ホンダが抱えている真の問題は、「とにかくコース上でのパフォーマンスが低い」ということだ。

「マシンにはまったく問題はない。唯一の問題は、ホンダだ」

 6日目の走行後、メディアに不満をぶちまけたフェルナンド・アロンソにしても、マシンに速さがあればこんな暴言を吐くことはなかったはずだ。

 ホンダの長谷川祐介F1総責任者も、性能の低さにこそ危機感を持っている。

「止まったことが世間で問題視されていますけど、それよりも、ちゃんと走っているときのパフォーマンスがよくないということのほうが大きな問題です。実際のところ、新スペックのパワーユニットに関しては、この3日間で問題はほとんど出ていません。しかし、速さが......我々としては相当な危機感を持っています」

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