傑作か? 失敗作か?
今季のF1参戦10チーム&マシンを一挙公開

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

フェラーリ・SF70Hフェラーリ・SF70H(3)フェラーリ
【ドライバー】セバスチャン・ベッテル(29歳・ドイツ)/キミ・ライコネン(37歳・フィンランド)

 1950年のF1世界選手権初年度から唯一参戦を続けている超名門チーム。今季は創設70周年の節目の年となる。しかし、最後にタイトルを獲得したのは2008年(コンストラクターズ)。その後、運営面でも技術面でもチームは名物の「お家騒動」で幾度もの代替わりを経ている。現在は親会社フィアットのセルジオ・マルキオンネ会長が実権を握り、強権を発動する形で組織再編を果たした。

 その結果、2015年に技術面を統率して「跳ね馬復活の兆し」を築いたジェームズ・アリソン(現メルセデスAMG)は去り、パワーユニット部門出身のイタリア人マティア・ビノットが後任となってマシンを開発。当初、今季型SF70Hには不安の声もあったが、開幕前テストではそれを一掃する圧倒的な速さを見せつけた。

 昨年はチームの不振と迷走に苛立ちを爆発させる場面も少なくなかった4度の王者セバスチャン・ベッテルも、今年は一転してゴキゲン。2007年王者のキミ・ライコネンもようやく仕上がった自由自在に操ることのできるマシンに本来の走りを取り戻し、開幕前テストで最速タイムを記録した。今年はいよいよ、フェラーリ復活の狼煙(のろし)が上がるか。

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