今季のMoto2とMoto3を戦う、
日本人ライダー5人の決意

  • 西村章●取材・文・撮影 text & photo by Nishimura Akira

 2017年シーズンは、チャンピオン争いの一角を占めると見なされている。中上自身の目標も、もちろん明快だ。

「チームと自分のターゲットは、Moto2のチャンピオンを獲ること。チャンピオンシップは長いので、18戦で取りこぼしのないようにできるだけ勝ち星を挙げたいし、その意味では今週の開幕戦から優勝を狙っています」

 この言葉にもあるとおり、昨年の中上は数戦で獲れるはずだったポイントを逃してしまったために、前記の順位にとどまった。高いレベルの安定性が今年のカギだ。そこをクリアできれば、かなり面白いシーズンを過ごすことになるだろう。

長島哲太は2014年以来の世界選手権復帰となる長島哲太は2014年以来の世界選手権復帰となる もうひとりのMoto2フル参戦選手、24歳の長島は2014年以来の世界選手権復帰となる。初挑戦の年は脚を骨折する大きなケガで後半戦を棒に振り、2015年と2016年にはFIM CEVレプソル選手権(旧スペイン選手権)のMoto2クラスに戦いの場を移した。昨年はほぼ毎戦で表彰台に上がり、年間ランキング2位。その経験が今回の再挑戦の大きな糧(かて)となっている。

「毎レースほぼすべてのセッションをフルタンクで、タイヤもハードコンパウンドばかり履いて走っていたので、GP復帰に向けた練習をかなりさせてもらえた印象です。それでも表彰台に上れていたことが、今年になって少しずつ実ってくるのかな、という感触ですね」

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