富士スピードウェイ50周年に、幻のF1マシンが時空を超えて現れた (3ページ目)

  • 川喜田研●取材・文 text by Kawakita Ken
  • 村上庄吾●撮影 photo by Murakami Shogo

 この日の富士ワンダーランドフェスで企画された各種イベントの中でも、多くのファンを沸かせたのが、1976年に日本で初めて開催された「F1世界選手権イン・ジャパン」を再現したデモンストレーション・ランだった。F1世界選手権イン・ジャパンとは、現在まで続く鈴鹿サーキットでのF1日本グランプリが1987年に開催される以前、1976年と1977年の2回だけ行なわれたF1グランプリシリーズ公式レースの1回目である。当時、たまに放映されるテレビの録画放送のなかでしか見たことのなかったF1マシンが、目の前に出現したことにモータースポーツファンは衝撃を受け、狂喜乱舞した。

マリオ・アンドレッティのドライブで1976年の富士を勝ったロータス77。扱いづらいマシンといわれ、このときが唯一の勝利マリオ・アンドレッティのドライブで1976年の富士を勝ったロータス77。扱いづらいマシンといわれ、このときが唯一の勝利

 ロン・ハワード監督の映画『ラッシュ/プライドと友情』(2013年)にも描かれた、その伝説の名レースに出場したF1マシン、フェラーリ312T2、ロータス77、マクラーレンM23、そしてこのレースだけスポット参戦した国産F1マシンのKE007 (走行はせず)までもが登場し、爆音とともに走り出す姿は、まるで40年前の富士スピードウェイにタイムスリップしたかのようだった。

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