「猛獣だね」とドライバーたちが絶賛する
史上最速F1マシンの凶暴度

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

「前走車をフォローして走るのは簡単じゃないね。今までよりもひどくなっている。前走車の後ろを走るクルマはクリーンエアで走っている状態と比べて50%か、それ以下の空気しかマシンに当たらなくなってしまうんだ。走っていて突然横風を受けて、何の前触れもなしにフロントエンドのグリップを失ったりする。そうなればスロットルを戻さなければならないし、オーバーテイクができるほど十分に近づくことができなくなってしまうんだ。たくさんのクルマが走るレースの実戦ではどうなるかわからないけど、数台のマシンの後ろに着いて走ったかぎりでは、今までよりも難しくなっているね」(ハミルトン)

 前走車の背後に着いてコーナリングするのがより難しくなったことは確かなようだ。しかし、実際のレースでオーバーテイクが難しくなるかどうかはまだわからないと擁護する声もある。

「ある場面では前走車に着いて走るのが難しくて抜きにくそうだったり、ある場面ではオーバーテイクが簡単そうだったりするから、まだ一概には言い切れないと思う。ニュータイヤかオールドタイヤか、テストではそのへんの条件の違いもハッキリとはわからないし、そのあたりは実戦を待つ必要があるんじゃないかな。もちろん、これだけマシンがワイドになったんだから、モナコは間違いなく抜きづらくなるだろうけどね」(ベッテル)

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