「猛獣だね」とドライバーたちが絶賛する史上最速F1マシンの凶暴度 (4ページ目)
バルセロナ合同テストでは何台かのマシンがロングランを行なったが、ミディアムやソフトといったこのサーキットに合ったレンジのタイヤでは「デグラデーションはゼロ」というデータが多々見られた。
レッドブルのタイヤ運営責任者であるピエール・ヴァッシェ(カーパフォーマンス担当チーフエンジニア)は、今年はアグレッシブなレースが見られるのではないかと証言する。
「デグラデーションはほぼゼロだ。まったくタレないから、このままいけば全レースが1ストップになって、僕らエンジニアは仕事がなくなるよ(笑)。だけど、ドライバーたちは全力でプッシュしてアタックし続けられるから、彼らにとってはいいことだろうね」
一方で、空力性能が向上したがゆえに、マシンの後方に生じる乱気流が大きくなり、前走車の背後に着いて走るのが難しくなったという声も聞こえてくる。つまり、それだけオーバーテイクを仕掛けるのが難しくなるのではないか、という懸念だ。
「他車の後ろを走ってみた感じでは、前走車の空力的影響が大きくて、オーバーテイクは間違いなく難しくなるだろうし、ショーという意味で言うと、これがいいかどうかはわからない。タイヤはコンシステントだからプッシュできるし、レースペースはこれまでよりも明らかに速くなるだろうけどね」(フェリペ・マッサ/ウイリアムズ)
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