「猛獣だね」とドライバーたちが絶賛する史上最速F1マシンの凶暴度 (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)の感想は、タイヤ開発戦争の全盛期で過去最速と言われた10年前のF1マシンと同等の速さだというもの。自身が王座を獲得した2010年のレッドブル以上の興奮を味わったと絶賛した。

「ダウンフォースが10年前と同じくらいにまで増えているし、10年前のマシンと同じくらいの速さだと思う。車重は当時と比べて150kgも重くなっているのにね。コーナーは速いし、ブレーキングも奥までいけるし、あらゆるところで速いよ。

 もちろん、マシンやタイヤのドラッグが増えたぶん、ストレートは遅くなるけど、よほどストレートが長いサーキットでもなければ(ドライバーとしては)問題ないね。低速コーナーではダウンフォースの与える影響が小さくなるけど、タイヤのグリップが高くなっているぶん、速くなっているしね。今までとは別のアニマル、別のビーストだよ」

 ダウンフォースが増えたことで、これまでスロットルを戻していた場所でも全開で駆け抜けていけるようになった。特に空力が効く高速コーナーの速さは、昨年までの比ではない。

「ターン3やターン9を全開で行くのはこれが初めてではなくて、2010年あたりはそうだった。それと同じようにマシンをプッシュして走ることができて、しかもこのタイヤならプッシュし続けられる。これはとてもいいセンセーションだよ」(ベッテル)

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