「今年もダメ」説に反論。テストでF1ホンダに起きたトラブルの真相 (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 いつまで経っても上がらない成績と、続発するトラブル......。「マクラーレン・ホンダ」という往年のタッグ復活に寄せた期待が裏切られて3年目。ファンもメディアも我慢の限界に達しようとしているのだ。

 しかし、外から見える様子と、チーム内の実状は異なっている。

 ホンダが抱えたトラブルは、参戦初年度の2015年のような悲惨なものではなく、どれもシンプルなものだった。

 初日は、走行中にGがかかった際にオイルタンク内でオイルが暴れ、ポンプから吸い出せない瞬間が生じるという問題が起きた。だがこれは、実は前日のフィルミング走行(プロモーション撮影用)で発覚していたものだった。ホンダは夜のうちにオイルタンク内部の「バッフルプレート」と呼ばれる仕切り板の再分析を行ない、現場で加工を施して対策した。その分析・再設計作業に時間がかかり、対策が間に合わなかったため、テスト初日の朝はダメもとで同仕様のままコースに出してみたのだ。

 その結果、撮影用の低速走行ではなんとか騙し騙し走行することはできても、やはりレーシングスピードの走行は難しいと判断し、オイルタンクの対策完了を待つことになった。ガレージ裏では対策済みオイルタンクを組みつけたもう1基のパワーユニットが準備され、パワーユニットの載せ換え作業が行なわれることになった。

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