日本人F1ドライバー誕生のため「シートを用意する」ホンダの本気度 (7ページ目)

  • 米家峰起●取材・文・撮影 text & photo by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 すでに、2018年以降のカスタマー供給に関する話し合いは進んでいる。長谷川総責任者も、山本MS部長も具体名は明かさないが、供給先の候補はフォースインディアとザウバーだとみられている。候補の選定にあたっては、ホンダが推薦する日本人ドライバーの起用が可能であるかどうかも、重要な要素として検討されているという。

「私と長谷川祐介F1総責任者で、昨年の鈴鹿以降にワークス以外の全チームとは一度会って挨拶をしました。それ以降に会って話をしたのはひとつ、ふたつですけど、当然我々も若手ドライバーを応援している立場でもありますから、それ(彼らのためのシート獲得)が重要な要素ですし、そこを睨んだうえで交渉を進めています。実際に契約が成立しているところはまだありませんけどね」

 2017年5月末には、翌年以降のパワーユニットが決まっていないチームにはFIAから指定されたパワーユニットメーカーが交渉を義務づけられる。長谷川総責任者は「それよりももっと早い段階で供給先を決めたい」と語る。

 つまり順調にいけば、シーズン序盤にはホンダの第2の供給先が決まり、シートが確保されることになる。そうすれば、日本人若手ドライバーたちがF1へと昇格するお膳立てが揃うのだ。

 F1への"最後の一歩"を踏み出すのは誰か――。ホンダは本気で、その瞬間を待ち望んでいる。

■モータースポーツ 記事一覧>>

7 / 7

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る