日本人F1ドライバー誕生のため「シートを用意する」ホンダの本気度 (5ページ目)

  • 米家峰起●取材・文・撮影 text & photo by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 こうしたF1を取り巻く難しい状況はホンダとしても百も承知で、それを踏まえたうえで日本人F1ドライバー創出のための支援を惜しまない、という強い決意を持っている。

 つまり、才能よりも資金の額でシートが決まってしまうのなら、ホンダがパワーユニットを供給することで、その供給先にシートを用意してしまおうというわけだ。

「そこはホンダがやります。ホンダはグローバル企業ではありますが、日本のモータースポーツを盛り上げるという意味では日本人が乗ることはとても大事だと思っています。ですから、彼らががんばるのと同じように、中嶋悟さんがF1に行ったときのように我々もがんばって、日本人が乗れるシートを用意する努力をしなければいけない。それは、彼らの力でどうにかできることではありませんから」

 その背景にあるのは、ホンダのアピールや意思表示というよりも、純粋に日本でF1を盛り上げるためには、世界で活躍する日本人ドライバーの存在が必要だということだ。F1活動を取り仕切る長谷川祐介F1総責任者も、「中嶋悟さんがいたり、鈴木亜久里さんがいたり、佐藤琢磨がいたころの盛り上がりは僕も覚えていますし、みなさんだってそういう状況にしたいですよね?」と語る。

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