日本人F1ドライバー誕生のため
「シートを用意する」ホンダの本気度

  • 米家峰起●取材・文・撮影 text & photo by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

日本人F1ドライバー誕生を強く願う山本雅史モータースポーツ部長日本人F1ドライバー誕生を強く願う山本雅史モータースポーツ部長 松下の所属するARTグランプリ(フランス)は昨年からチーム力を落としており、ホンダとしてはGP2王者プレマ・レーシング(イタリア)から参戦させようと画策していたが、果たすことができなかった。それでも「あの最終戦アブダビの勢いでいければ、可能性がないとは思いません」と、山本MS部長は語る。

 それでも、ARTの状況を考えると松下ひとりだけに、日本人F1ドライバー誕生を賭けるのはリスクが大きすぎる。そこで、GP2と同レベルのスーパーライセンスポイントが獲得できるユーロF3へ牧野を送り込むことになったのだ。牧野は2015年のFIA-F4でランキング2位、2016年の全日本F3でランキング5位という実績があり、ホンダ勢のなかでは松下や福住より多いスーパーライセンスポイント11点を保有している(松下は3点、福住は6点)。

 欧州初挑戦でほとんどのサーキットが初体験となるが、山本MS部長は牧野の活躍に自信を持っている。

「牧野を日本で走らせていたのでは能力を伸ばせないし、もったいないと思って、ヨーロッパへ連れて行こうと決めました。(昨年の全日本F3選手権から今季ユーロF3で)乗り慣れたクルマですし、新しいコースへの順応性も高いし、今はシミュレーターも発達しています。

2 / 7

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る