日本人F1ドライバー候補3名は、チャンスを前に何を考えているのか (6ページ目)

  • 米家峰起●取材・文・撮影 text & photo by Yoneya Mineoki

「そういうことです。チャンスがあるなら乗りたいと思います。そうするためにも今、自分が絶対にやらなきゃいけないのはスーパーライセンスポイント(40点)を獲るっていうことだと思っています。去年のプレマは圧倒的すぎたけれど、それには(ストロールのF1昇格のための優遇という)政治的なことも絡んでいるみたいなんで、今年はそういうこともないでしょうし、ランキング2位は無理な話じゃないと思っています」

 昨年に引き続き、GP3には福住仁嶺(ふくずみ・にれい)が参戦する。

 3人のなかでは唯一、福住には2018年のF1昇格のチャンスがない。というのも、GP3でチャンピオンに輝いても、スーパーライセンス取得の要件を満たすことができないからだ。

 しかし、過去にはバルテリ・ボッタス(メルセデスAMG)やダニール・クビアト(トロロッソ)らがGP3から「飛び級」を果たしており、状況によっては特例適用の可能性もないわけではない。よって、福住にとってはF1と同じ場所で開催されるGP3で、しっかりと速さと存在感をアピールすることが非常に大きな意味を持つ。

「今年は(初体験で苦労した昨年と違い)去年走ったサーキットばかりですし、とにかく速さを見せつけたいと思っています」

 予選でも決勝でも、ひとたび弱気の虫が顔を出すと一気に負のスパイラルに入ってしまうようなところが、昨年の福住にはあった。それは本人も痛感しており、今年は精神的な強さを身につけることが課題だと意識している。

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