佐藤琢磨が移籍後インディカー初テスト。ホンダ勢の体制充実に手応え (4ページ目)

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano 松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 しかし、実際のフェニックスのレースは4月の下旬だから、今回のテストよりさらに気温、路面温度は高くなる。ゲートウェイとアイオワのレースは夏なので、気温などはさらに高くなるだろう。

 これらのレースはどれも予選を日中に行ない、決勝はナイト・レースで争われるのだから、テストでも予選シミュレーションは日中、レース用セッティングは夜間に行なうのが合理的だった。しかし、ホンダ勢の中には、夜間に予選シミュレーションを行なったケースが少なからずあった。オーバーテイクの難しいショートオーバルでは予選順位が極めて重要になるため、少しでも多くのテストをこなそうという思惑があったのだろう。

 結局、好タイムの出やすい気温、路面温度の低いコンディションでも、ホンダ勢はシボレー軍団の日中のタイムを凌ぐことはできなかった。とはいえ、今回のテストデータを第4戦までに解析し、セッティングのレベルアップを果たすことは可能だろう。

 インディカーで8シーズン目を迎える佐藤琢磨は、2日間総合で16番手だった。トップとの差は0.4552秒。これはショートオーバルではかなりの差だし、テスト終了を目前にターン1でアクシデントを起こしてしまったりもした。しかし、今年の琢磨はキャリアベストの体制を手に入れている。アンドレッティ・オートスポートに移籍したからだ。

4 / 6

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る