佐藤琢磨が移籍後インディカー初テスト。
ホンダ勢の体制充実に手応え

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano 松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 今回のテストで最速ラップを記録したのはJR・ヒルデブランドで、2番手はエド・カーペンター。エド・カーペンター・レーシング/シボレーによる1-2で、ヒルデブランドは昨年樹立されたコースレコードを上回ってみせた。

 3~5番手に並んだのは現在シリーズ最強のチーム・ペンスキー勢(昨シーズン10勝!)。今年移籍してきたばかりのジョセフ・ニューガーデンを先頭に、インディ500で3勝のベテラン、エリオ・カストロネベス、2014年チャンピオンのウィル・パワーの順で続いた。ここまではトップからコンマ2秒以内に収まる大接戦だった。昨年初めてチャンピオンになったシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)はトップと約0.24秒差で8番手だった。

 ホンダ勢では、6番手につけたミカイル・アレシン(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)がトップで、次が2004年チャンピオンのトニー・カナーン(チップ・ガナッシ・レーシング・チームズ)による7番手。トップとの差はそれぞれ0.2148秒、0.2255秒だった。差は僅かだが、今年もシボレー勢のショートオーバルでの優位に変わりはなさそうだ。

 シボレー、ホンダの両エンジンメーカーがエアロパーツも供給する空力競争が始まった2015年にシボレーは16戦10勝、2016年には16戦14勝を挙げた。この一方的な結果を受けて、インディカーは2018年から、シリーズが設計、提供するエアロパッケージを全員が使う2014年までと同じワンメイクマシンに戻すことを決めた。そして、これ以上の参戦経費高騰を避けるため、2017年は空力ルールを凍結した。

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