可夢偉の次は誰? F1昇格を狙う日本人ドライバーたちの2017年 (5ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 86歳のエクレストンがトップに立ち続けてきたことからもわかるように、F1のやり方はよくも悪くも保守的だった。テレビ放映権収入に固執するがあまり、インターネットを介した露出には消極的で規制も多く、それがF1ファン層の拡大を妨げてしまっていた。こうした"古さ"は解消され、現代の時流に合わせたショーアップが果たされていくだろう。

 しかし、エクレストンが"村の長老"として果たしていた役割は大きく、彼が間に立って取り持つことで解決してきた事案は多々あった。チームの誕生や存続に関しても、彼が個人的に支援をしたり、周囲に支援を要請することで成り立ってきた。

 多少の利害の不一致はあったとしても、1970年代にF1チームを取りまとめ、テレビ放映権収入を軸にF1をここまで大きくしたエクレストンに対しては、F1界の誰もが感謝と敬意を持っていた。だからこそ、エクレストンの存在なしにF1は回らない、と言われ続けたのだ。

「ポスト・エクレストン」の世界が、大革命となるのか、小さな改革にとどまるのかはわからない。それがさらなる繁栄へと続くのか、混迷へとつながるのかもわからない。ただひとつ言えるのは、変貌を遂げるであろうポスト・エクレストンのF1新時代から目を離してはいけないということだ。

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