可夢偉の次は誰? F1昇格を狙う日本人ドライバーたちの2017年 (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 日本のファンに海外観戦先として人気の高いシンガポールやマレーシアも、観戦に行くなら今年がラストチャンスになる可能性もある。

(10)「F1界のドン」が退陣。その先にあるのは繁栄か混乱か?

 2017年1月17日、アメリカの大手メディア関連企業「リバティメディア」の株主総会で、F1買収が正式に決まった。詳しく言えば、F1の興行権を持つ「フォーミュラ・ワン・グループ」の株式を100%取得し、長らくF1を率いてきた「F1界のドン」バーニー・エクレストンは実質的な権限のない名誉会長に退くこととなった。

 彼に代わる後継者など存在し得ないと言われ続けたエクレストンが引退し、2017年からはロス・ブラウンが運営面の指揮を執ることになった。現FIA会長ジャン・トッドとともに2000年代のフェラーリ黄金期を築いた人物として知られる。ただし、経営のトップはリバティメディアのチェイス・キャリーが握る。こちらはモータースポーツではなく、ディレクTVや21世フォックスなどアメリカのエンターテインメント業界に身を置いてきた人物だ。

 エクレストンの引退で、F1新時代が始まる。それも、アメリカ企業の主導で。

 F1は間違いなく変わるだろう。すでにレギュレーションの変更でレースそのものの改革は進められているが、レース週末全体を通してのショー的要素の拡大や、テレビ放送やインターネットメディアとの親和性、一般層に向けたPRという点でも。

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