F1新時代を予測。「史上最速のコーナリング」を制するのは誰だ? (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 車体規定の大幅変更があった2009年は、ブラウンGPやトヨタが「ダブルディフューザー」を発明して大きなアドバンテージを得た。同じく1998年には、マクラーレンがモノコックのフチだけを高くして高さ規定を満たしながらも車高を抑えるというアイディアを見つけ出したり、ティレルがコクピット両脇に「Xウイング」と呼ばれるウイングレットを装着したりもした。

 2017年も新規定のもとで、さまざまなアイディアが生み出されることだろう。

(4)固まっていた「3強」の勢力図がガラッと塗り替えられる?

 2014年の新パワーユニット導入から3年間は、メルセデスAMGが圧倒的な速さでF1を席巻してきた。そしてレッドブル、フェラーリを合わせた3強チームだけが優勝争いに絡むことができるという勢力図が固まった。

 しかし2017年は、その勢力図が大きく塗り替えられるかもしれない。

 前述したように、マシン新規定下では他を出し抜くようなアイディアをものにしたチームが最速のマシンを生み出すことができる。2009年のブラウンGPのように、思わぬ伏兵がトップに躍り出る可能性さえあるのだ。

 ブラウンGPの前身ホンダは前年度ランキング9位、実質的に2009年最速だったレッドブルは同7位。同じように1998年も、王者となったマクラーレンは前年度ランキング4位でしかなかったのだ。一方で規定変更前年の2008年王者のフェラーリは1勝、1997年王者のウイリアムズは0勝と大失速している。こうした大番狂わせが起こるのも、レギュレーション大幅改訂があったシーズンの醍醐味だ。

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