F1新時代を予測。
「史上最速のコーナリング」を制するのは誰だ?

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 加えて、ペナルティの基準も緩和されることになった。安全性を理由にわずかな接触でもペナルティが科せられていたここ数年のF1だが、2017年からは「完全にドライバーに非がある場合のみ」という基準が設けられることになったのだ。

 タイムペナルティや累積ポイント制による出場停止などの行き過ぎたペナルティや、タイヤマネージメントの存在がドライバーたちを萎縮させていたことは事実。ドライバーたちが「頭脳」よりも「本能」に従ってレースができるようになれば、F1はかつてのような激しいバトルを各所で見せるアグレッシブなレースに様変わりするはずだ。

(3)大きく変貌するルックスは1990年代のF1を彷彿とさせる!

 言うまでもなく、2017年のF1マシンはルックスが変貌を遂げる。

 車体幅が1800mmから2000mmへと広がり、前後ウイングも大きくなり、なによりタイヤが25年前のようにワイドになる。つまり、1990年代前半の華やかなりしころのF1のようになるというわけだ。

 加えて、新規定の初年度ゆえに、さまざまなアイディアが登場する可能性も高い。

 車体レギュレーションが同じまま数年が経つと、どこかのチームが見つけた「正解」を他チームも模倣し、全車が似たような形に収束していってしまうものだ。しかし、新規定の初年度は各チームの考え方がバラバラで、「正解」を模索してさまざまなアイディアを試そうという動きもある。

3 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る