今季MotoGP初テスト。
移籍組ライダーが語るNewバイクの感触

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

 無駄を削ぎ落としたスムーズさと、高いコーナリングスピードが身上のロレンソは、ヤマハのマシン特性を最大限に活用して戦闘力を発揮し、毎年のようにチャンピオン争いを繰り広げてきた。年間総合優勝は3回(2010年・2012年・2015年)。だが、マシンのキャラクターが古巣とはほぼ180度異なるドゥカティでは、そのポテンシャルをどこまで発揮できるのか。

 テスト初日は、トップと1.669秒という大差で17番手。「がっかりはしていないけれども、でもまあちょっとビックリはしたよ」と話す口調は穏やかで、新しい環境に堅実に馴染んでいこうとするベテランらしい落ち着きが感じられた。

「ヤマハのようにコーナーでタイムを稼ぐやり方とは異なる乗り方に変える必要があるので、いいラップタイムを出すために今、それに取り組んでいるところ。今日はトップ4のうち3台がドゥカティだったので、バイクそのものの戦闘力は示していたと思うよ。あとは自分のペースを安定させることだね」

 テスト2日目は8番手に上昇。3日目を終えて総合順位は9番手だったが、総合首位のビニャーレスから0.398秒という僅差の内容を見るかぎり、この3日間で大きな前進を遂げたことは明らかだ。ロレンソ自身も「初日は厳しかったけど、最終的に思ったより速いタイムを出せたのでとてもハッピー」だと話した。

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