8年ぶりの大改革。F1新レギュレーションで
勢力図がガラッと変わる!

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 ただし空力性能が向上するだけに、マシンが生み出す乱気流も大きくなりそうで、その影響がいかほどのものかは未知数だ。前走車の後方に張りついて走行した際に乱気流を受けてダウンフォースを大幅に失うとしたら、コース上でのバトルは難しくなる。2017年に向けたマシン規定の話し合いが行なわれ始めた当初、ドライバーたちからは「速くなるのはいいけど、空力ではなくメカニカルグリップの増加によるものでなければ、今まで以上にバトルができなくなってしまう」と懸念の声が上がっていたことも忘れてはならない。

 その点についてもタイヤが助けになるよう、「乱気流から抜け出てダウンフォースが戻れば、すぐにパフォーマンスを取り戻すことができるようなタイヤに仕上げたつもりだ」と、ピレリのイゾラは言う。

 また、マシンがワイド化することも追い抜きが難しくなる要因になるのではないか、という声もある。フロントウイングが大きくなることで、接触の可能性も増えそうだ。モナコやシンガポールのようにコース幅が狭いところでは、2台が並んで走ることすら困難なセクションもあると予想される。

 いずれにしても、F1が速くなることは間違いない。その結果、レースが面白くなるかどうかは、まだ開幕してみないとわからないと言えるだろう。

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