小林可夢偉が語る今季。WEC王座争いは「あれ? いける?」って感じ (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 それでもマシンの性能を考えれば、ランキング3位は上出来すぎるほどの結果だと言える。そして、フル参戦1年目にして他のドライバーたちと同等かそれ以上の速さを見せ、可夢偉としても十分に実力を示すことができた。6人いるトヨタのドライバーのなかでも、可夢偉は安定してトップ2に入る速さを示していた。

「WECに関しては出し切れたと思いますね。『ああしたらよかった』っていうことを言い出したらキリがないとは思うけど、周りが3年も4年もWECで走ってきてるドライバーたちばかりで、遅い人たちじゃないってわかってるなか、1年目から(彼らと同等かそれ以上に)やれたっていうのはよかったと思います」

 WECは我々が想像するよりもはるかに速く、6時間という長時間のレースだが、スプリントレースかと見間違うほどのハイペースで攻め続ける。

 たとえばバーレーンでのタイムを比較すれば、WECのLMP1クラスは予選で1分39秒~40秒台のタイムを記録しているが、F1はルイス・ハミルトンの今季のポールタイムが1分29秒493だった。LMP1はF1直下のGP2とほぼ同等の速さを持っている。

「クルマは乗っててかなり速いですよ。コーナーも結構速い。WECは燃料規制があるんですぐにフューエルカットが入ってしまって、トップスピードは全然伸びないから、ストレートはF1のほうが40km/hくらい速いんです。

4 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る