マクラーレンとの関係を変えたF1ホンダ長谷川祐介のチーム改革 (6ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

「勝つために必要なことは言います」

 長谷川がチームに加わった2月にそう言い切ったのには、彼らの姿勢から多くを学んでいたからだ。

「ロス(・ブラウン)さんはすごく明快でした。『トップスピードが出ていないのはお前の責任だ。何とかしろ』ってはっきりと言われたんですけど(苦笑)、彼は不振を日本人のせいにしてやろうとかそういうことではなくて、誰に対してもそうでしたし、彼に言われれば、それが多少理不尽な要求だったとしても、そうするしかないんです。

 ロン(・デニス)さんも、どっちが偉いとかではなくて、マクラーレン・ホンダを勝たせることが最優先事項という人でした。だから、自分たちのネガティブ要素を認めないなんていうことも一切なかったですよ。『お前んとこがヘコんでるからダメなんだ!』っていうのは100万回言われましたけど(苦笑)、『ウチ(マクラーレン)は悪くない』と言ったことは一度もなかったですからね。

 僕らに厳しいことを言うのと同じように、チームに対してもすごく言っていました。ロンさんやロスさんがよかったのは、とにかく勝つということが最優先事項で、チームの面子を保つとかどっちが偉いという競争をするというようなことには一切、興味はなかった。それは非常にありがたかったし、やりやすかったですね」

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