マクラーレンとの関係を変えたF1ホンダ長谷川祐介のチーム改革 (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

「第3期のときは『エンジン馬力が出ていない』と散々言われました。それが事実かどうかわかりませんけど、当時の僕の立場ではそれを認めることができなかったんです。それがすごく大きかった。でも、今はこの立場なので、かなり早い段階から『馬力が出てないよ。それが最大の問題だ』って言ったんです。なかには『なんでそんなことを言うんだ』っていう声もありましたけど、それをチーム全体として共有して浸透させて、認めるところから始めないといけないんです」

 開幕前のバルセロナ合同テストでパワーユニットにトラブルが起きたとき、前年度に散々トラブルに悩まされてきたマクラーレン側は「またか」といった様子で、「ウチが直してやろうか」と言ってきたという。つまり、ホンダに対する信頼がなかったのだ。

「水漏れのような初期トラブルが起きるたびに、『何がどうなってるんだ?』『なんで直らないんだ?』『俺たちが一緒に直してやる』と散々言われました。テスト4日目に走行距離30kmくらいで止まってしまったときには、『残り4日間のためにエンジンを5基持ってきてくれ』とも言われました(苦笑)。でも、我々は1基で走るつもりでしたから、『いや、いらない。大丈夫だ』と言って、『ダメなものはダメ』『ここはウチでできる』『ここは協力を仰ぐ』ということをはっきりと言いました」

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