「F1界最強」アロンソ&バトンはマクラーレン・ホンダを救ったか? (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 言うまでもなく、アロンソはF1界で「当代一のドライバーのひとり」と見なされている。現役のなかでは3人しかいない複数回のタイトル経験者であり(あとのふたりはルイス・ハミルトンとセバスチャン・ベッテル)、ドライビングの面でも開発の面でも優れた手腕を発揮する。ニコ・ロズベルグが引退を表明した際、後任候補としてすぐさまアロンソの名が噂されたのも、F1界全体からの彼に対する評価の高さの証(あかし)であり、彼には優れたマシンで戦ってもらいたいという願望の表れでもあったのだ。

 それだけに、いつまでもよくならないマクラーレン・ホンダのマシンで戦うアロンソを、"宝の持ち腐れ"だと考える関係者も少なくない。

 アロンソ自身も、もちろん現状には満足していない。しかし、フェラーリで永久にチャンピオン争いに届かない場所でレースを続けるくらいなら、マクラーレン・ホンダという新たな場所でイチから王座を目指す――という気持ちは今も変わっていないという。

「もし2016年もフェラーリで走っていて、ランキング2位だったら落胆していただろう。あるいは6位だったかもしれない。そんなのは、もう嫌なんだ。それよりも僕は、マクラーレン・ホンダで頂点を目指したいし、彼らとともに世界チャンピオンになりたい。それが僕にとって唯一のゴールなんだ」

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