F1ホンダ、今季のダメ出し。「3強の後ろ」という見通しの甘さに喝! (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

「ウチはTCやICEのインダクションと燃焼系のアップデートによって、緩やかにではありますが相対的なポジションは明らかによくなってきましたけど、そもそもメルセデスAMGやフェラーリのレベルに到達する技術力がウチにはなかったと言わざるを得ません。ですからシーズン後半戦は、いくらがんばっても届かないっていうところであがいている状態だったのがつらかったですね......」

 その理由は、ICEの燃焼コンセプトの根本的な違いにある。

 メルセデスAMGやフェラーリは、「セミHCCI(予混合圧縮着火)」と呼ばれる非着火燃焼技術を応用して、限られた燃料量で最大限の出力を絞り出すことに成功している。ルノーも第6戦・モナコGPから投入した改良型ICEでは、限定的ではあるもののこの技術を採り入れて、30馬力近い出力アップを果たしたとされている。

 ホンダも彼らに追いつくためには、こうした抜本的な新技術が必要な状況に直面している。しかし彼らは、2016年シーズン内の実戦投入を断念せざるを得なかった。

「正直言うと、メルセデスAMGには追いつけないなというのは早い段階でわかっていました。もっと抜本的に、ICEの骨格から見直して凌駕するものにしなければならないということです。

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