F1ホンダ、今季のダメ出し。「3強の後ろ」という見通しの甘さに喝! (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 開発の遅れを、長谷川総責任者はハッキリと認める。

 実は、第13戦・ベルギーGPに投入したスペック3も、かなり綱渡りの状況を切り抜けて完成に至ったものだった。

「信頼性の確認に手間取ったんです。夏休みに入ってもまだ(HRD Sakuraでは)耐久ベンチが回っていましたから。夏休み前の段階で仕様は決まっていて、あとは信頼性確認だけだったんですが、そこで何かひとつでも問題が出れば、もうスペック3は投入できないというギリギリのところでしたから、夏休みは祈るような気持ちで待っていましたね。ロン(・デニス)さんからも電話がかかってくるし(苦笑)」

 そして第16戦・マレーシアGPに投入を計画していた"鈴鹿スペシャル"とも言うべきスペック4は、開発していたタマが不発で、実戦投入を断念せざるを得なかった。

「それが入っていれば、今シーズンの目標としていたものを少し上回ることもできたと思います。理論的にはそれが見えていたんですけど、実際に作ってベンチテストをしてみると、想定どおりのパワーが出なかったんです」

 メルセデスAMGやフェラーリは当初から今季仕様の限界近くまで開発を進めており、シーズン中の伸びしろはさほど大きくはなかった。それでも、ホンダは追いつくことができなかった。

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