F1ホンダ、今季のダメ出し。「3強の後ろ」という見通しの甘さに喝! (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 ただし、その目標値というのはメルセデスAMGに追いつくためのものであり、開幕前テストの出来映えを見るかぎりでは、毎戦入賞は可能なポジション――つまり、3強チームの後ろくらいにはいるだろうという見立てをしていた。

 この見通しの甘さが、もうひとつの「×」だった。

「開幕前の時点では、『きちんと完走さえすればポイントは獲れるんじゃないか』という感触はあったんです。実際にテストのタイムでも、そんなに下位に沈んでいるという感じではありませんでしたし、3強チームの後ろにはいるんじゃないかと思っていたんです。でも、ICEのパワーも出ていないし、ディプロイメントも十分じゃなかったし、(第3戦)上海の長いストレートで、『全然ダメじゃん』っていうのがわかってしまったんです」

 開幕仕様スペック1のICEでは、吸気系の気流がシミュレーションや単気筒テストどおりにならず、それが出力不足の原因となった。その後、ディプロイメントは第7戦・カナダGPの新型ターボで、そして出力は第13戦・ベルギーGPでのスペック3のICEで、ようやくおおよそ当初の目標に達することができた。

「当初の計画という意味では、そもそも最終戦で出したくらいのパワーを開幕戦から出すつもりでいました。そこは、大きく失敗してしまったと言わざるを得ません」

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