がんばったぞ、F1ホンダ。2年目のポジティブ要素をちゃんと褒めよう (5ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 シーズン開幕時点では開発の遅れから、「我々のパッケージのなかで、もっともヘコんでいるのがPUであることは明らかでした」と長谷川総責任者自身が認める。しかしスペック2、スペック3、そして最後のスペック3.5と、パワーユニットはこの1年で大幅に進化を遂げた。

「我々は普通のスピード以上の速さで開発をしていますし、メルセデスAMGよりも明らかに進化の速度は速いと思います。彼らは2014年を迎える前に4年間なり開発していたと聞いていますし、それが大きなアドバンテージなのだと思います。(他メーカーに比べて開発の)スタートが遅かったという時間的な問題が一番大きかったんです」

 一方で、チームとしても大きく進化した。

 時にはQ1敗退も喫した2015年とは違い、定常的にQ3進出を争うことができるようになった。そして決勝ではフォースインディア、ウイリアムズ、トロロッソと入賞争いをし、前述のとおり13戦で入賞を果たした。

 昨年来、対外的には「ホンダの性能不足に足を引っ張られている」というプロパガンダに終始してきたマクラーレン側も、ホンダRA616Hの性能が向上するに従って、車体の性能不足も徐々に明らかになり、日本GPでの大敗を受けてチーム内の雰囲気も変わった。車体の不備とシミュレーション能力に問題ありと認め、シーズン終盤戦のフリー走行ではそれを是正するためのデータ収集に明け暮れた。

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