がんばったぞ、F1ホンダ。
2年目のポジティブ要素をちゃんと褒めよう

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 ただ、他社と比べた場合、ウチだけが劣っていますし、もう一段、向上させなければいけないと思います。来年はこれ以上の信頼性を確保したところで、シーズンをスタートしたいと思っています」(長谷川総責任者)

 一方、パワーに関してはまだ十分とは言えないものの、ライバルメーカーとの差は確実に縮まってきている。

 開幕時点のスペック1では開発目標値を達成できずに後れを取っていたが、第10戦・イギリスGPで吸気系を改良して投入したスペック2、そして第13戦・ベルギーGPで燃焼系全体を改良して投入したスペック3と、順に大幅なパワーアップを果たしてきた。

「スペック2の伸びは、かつてなら年間のアップデートに匹敵するくらいの大きなものでした。シルバーストンもパワーサーキットでしたから、その効果が見えにくかったということもありますが、もともとギャップがあったところを追いついたのでライバルを凌駕するほどではなく、差を少し詰めたというくらいでしたしね。

 スペック3でもさらに大きく伸びました。今は(最大100kg/hの燃料流量制限下で)出力=燃費ですから、ベルギーGPでスペック3を投入するまでは燃費でも相当苦労しました。それ以降はレース中の燃費が問題になることはほとんどありませんでしたし、その点は非常によかったですね」

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