強豪チーム加入でホンダが逆襲!インディカー2017年の新勢力図 (2ページ目)

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano  松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 しかし2017年、この勢力図に大きな変化が訪れる。チップ・ガナッシ・レーシングは使用マシンをホンダに変更。 ディクソン(タイトル4回、インディ500優勝1回)とトニー・カナーン(タイトル1回、インディ500優勝1回)を2トップに据える4台体制のガナッシは、「ペンスキーを打ち負かすには、彼らとは違う道具を使うしかない!」と決断を下したのだ。

 これにより2強チームが揃ってシボレーという不健全な状況は解消される。復帰するガナッシからホンダには有益かつ豊富なデータがもたらされ、他のホンダユーザーたちにもそれらはプラスに働くはずだ。

 ガナッシ以外にもホンダには朗報がある。4年連続チャンピオンの実績を持つブルデーもシボレーを離れ、ホンダドライバーになるのだ。彼はKVSHレーシングからエンジニアを引き連れてデイル・コイン・レーシングに移籍する。

 これまでホンダのエースチームとして奮闘してきたアンドレッティ・オートスポートも、エンジニア部門を強化し、4人目のドライバーにセッティング能力の高さで定評のある佐藤琢磨を起用してチームのレベルの底上げを図る。

 もともとホンダはシリーズ最大のイベントであるインディ500での勝利を第一目標に掲げて、エンジンと空力の開発を行なってきた。そして彼らはこの5年間でシボレーより1回多い3勝を挙げている。とりあえずの目標は達成しているのだ。

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