今季MotoGPで9人も優勝者が出た「理由その1」と「理由その2」 (4ページ目)

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

 ミシュランのテクニカルディレクター、ニコラ・グベールは「タイヤ選択は、ときに大きな差を生むことがある。たとえば、レッドブルリンク(第10戦・オーストリアGP)の(アンドレア・)イアンノーネは、誰も選択しなかったミディアムコンパウンドのリアタイヤを装着していた。ダニ(・ペドロサ)がミザノ(第13戦・サンマリノGP)で勝ったときも、フロントタイヤが唯一、ソフトコンパウンドだった」と話す一方で、「とはいえ、タイヤだけが(9人もの異なる優勝者を生んだ)大きな理由ではない。天候も大きな要素になっただろうし、電子制御も、レースによってはある陣営の制御が他陣営よりもうまく動作して勝負を分けたのかもしれない」とも述べた。

 2017年が今年と同様に、多くの選手が入れ替わり立ち替わり優勝するような波瀾のシーズンになるかどうかは、まったくの未知数だ。だが、ヤマハからドゥカティへ移るロレンソや、スズキからヤマハへ乗り換えるビニャーレスなどの大型移籍、そしてKTMファクトリーの新規参入など、いくつもの目を惹く要素がある。来年のMotoGPは、1月末に始まるプレシーズンテストから早速、多くの話題が目白押しになるだろう。

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