今季MotoGPで9人も優勝者が出た「理由その1」と「理由その2」 (2ページ目)

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

 今年のマルケスの意外に少ない年間総獲得ポイント数に加え、メーカータイトルではヤマハを僅差で上回ったホンダが獲得する一方、チームタイトルはモビスター・ヤマハ MotoGPがレプソル・ホンダ・チームを抑えきったという事実にも、今シーズンの緊密な戦いがよく反映されている。

 とはいえ、全18戦のうち12戦で表彰台に立ったマルケスの総獲得ポイントを一戦ごとに平均すると約16.5ポイントで、計算上では毎戦3位以上の点数を獲得して確実に表彰台圏内に収まっていたことがわかる。ちなみに年間ランキング2位で終えたバレンティーノ・ロッシ(モビスター・ヤマハ MotoGP)は249ポイントで、一戦あたりの平均は約13.8。4位入賞の13ポイントを少し上回る点数を稼ぎ続けていたことになる。

 マルケスやロッシがこのような低い総獲得点数で終わっているのは、いうまでもなく、1年間に9人の選手が優勝し、ポイントが多くの選手に広く分散したためでもある。その9人の優勝者という珍しい現象を生んだ理由は、共通ECU(※)ソフトウェア導入と、タイヤ供給メーカーのブリヂストンからミシュランへの変更、というふたつの要素が大きく影響したことも論を俟(ま)たない。

※ECU=Electronic Control Unitの略。電子制御装置。

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