ホンダ5位入賞もアロンソは怖い顔。
「鈴鹿での大惨敗を忘れるな」

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 アメリカGPの金曜フリー走行は、完全にテストセッションと化していたのだ。

 それはアメリカGP以降の結果を良くするためのものというよりも、来季型マシン開発の方向性を誤らないための再確認作業のようなものだ。シーズンの残りが4戦を切った10月を迎えてからやるようなことではないが、その過ちを見過ごしたまま2017年型マシンを完成させてしまうよりはずっとマシだった。

 金曜のデータを分析しながら臨んだ予選では、12位と19位。ジェンソン・バトンはソフトタイヤでQ1を突破できるだろうという判断ミスを犯し、慌ててスーパーソフトに履き替えて2回目のアタックに出たが、渋滞の真っ只中でアタックすることになり、Q1敗退を余儀なくされた。アロンソはQ2に進んだが、フォースインディアだけでなくウイリアムズ、トロロッソを上回る速さはなかった。

「今回セットアップの方向性を(従来とは違う方向に)振ったのは事実で、それはうまくいったけど、がんばってもこれが実力なのか、(セットアップ変更のせいで)悪い方向に行ってしまったのか、今の段階ではまだよくわかりません」(ホンダ長谷川祐介F1総責任者)

 苦しいポジションからの決勝レースとなったが、スタート直後の混乱をうまくぬって1周目の時点で9位・11位へと順位を上げたことが大きかった。

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