大逆転なるか。室屋義秀がエアレース今季最終戦で年間表彰台を狙う (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki

 不安があるとすれば、気象条件だろうか。昨年のラスベガスは、レース途中に突然の雨と強風に見舞われ、一時中断となるなど難しいコンディション下でのレースとなった。会場となるラスベガス・モータースピードウェイは、砂漠のなかに作られており、今年もある程度の強風は覚悟しなければならない。室屋も「天気予報では、予選日もレース日も同じように午後から風が強くなりそう」と話し、レースへの影響を心配する。

 それでも室屋は、昨季も同様の悪条件に見事対応し、ファイナル4まで進出している自信からか、「トラックのレイアウトは去年とまったく同じだし、(同じように風が吹けば)タイムも去年と比べられるからおもしろいレースになる」と、前向きにとらえている。

 室屋は今季、地元・日本で開かれた第3戦で涙の初優勝を果たしたものの、その後は惜しいところで結果が出せず、優勝はおろか、一度もファイナル4に進出できていない。室屋にとっては、2009年のレッドブルエアレース・デビュー以来、最も重要な足跡を残したシーズンだけに、最後をいい形で締め括りたいところだ。そうすることが、このレースだけでなく、年間総合での好結果をもたらすことになる。

 室屋自身、「(最終戦だからといって)特別、感情に変化はない」と、いつもどおりのポーカーフェイスで話しながらも、でも、とつないで、「最終戦なので、しっかりとまとめて終わりたい」と決意を口にする。

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