鈴鹿はいけるぞ!F1ホンダが日本GP前哨戦のダブル入賞に手応え (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 排気管は消耗部品であり、いつでも交換が可能であるため、この新型排気管はマレーシアGPから2台のマシンに装着され、サーキットを走った。パワーユニットのなかでは重心から遠い位置につくパーツのひとつであるだけに、この軽量化はマシンの運動性能に大きく寄与したはずだ。

 一方、「スペック3.5」のICEは金曜日にフェルナンド・アロンソ車に搭載されて、いわばシェイクダウンを終えただけで、土曜日からはふたたびベルギーGPから実戦使用してきた中古の「スペック3」へと戻された。

「当初は2台とも(改良型のすべてを)マレーシアに投入しようという話もあったんですけど、それだとレース週末として完全に期待がなくなってしまうので、フェルナンドだけにしようということになりました」

 しかし、どうして土曜日に旧型に戻したのか? それは長谷川のレース屋らしい考え方によるものだった。

「正直言うと、フェルナンドだけ新型を使うのはどうか、というのも理由のひとつです。そんなに大きなアップデートではないとはいえ、信頼性がよくなった分だけより攻めて使えるわけですから、(スペック3を使う)ジェンソンと差が出てしまいます。そこに差をつけたくなかったので、フェルナンドのほうも旧型に戻して2台で同じスペックに。そこをフェアにしたかったということです」

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