「おいしい部分が少ないマシン」のF1ホンダ。鈴鹿に向けて秘策は? (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 一方、9番グリッドのアロンソは好スタートで5位までジャンプアップ。トロロッソ勢とマックス・フェルスタッペン(レッドブル)を巧みに抑えながら、レースを進めていった。

 上位で何かが起きれば、表彰台もあり得るのではないか......と思ったというアロンソだが、その淡い期待は裏切られた。

「シンガポールで上位に何も起きないなんて初めてだ。信じられないね!」

 フェルスタッペンと最後尾から追い上げてきたフェラーリのセバスチャン・ベッテルは抑え切れず先行を許したが、3強チームの6台に次ぐ7位は守り切ってフィニッシュした。

「スタートで5位まで上がったから、一瞬、表彰台を期待したんだ。毎年荒れるシンガポールだから、もし前で何かが起こればってね。でも、今日は何も起きなかった。それよりも後ろからベッテルとフェルスタッペンがすごい速さで追いかけてきてしまった。僕らとしては、自分たちの手にあるものは出し切れたし、これが今日のレースでは最大限の結果だよ」

 予選後には落胆の表情を見せたホンダの長谷川総責任者も、この結果には満足の様子だった。

「全体的に見て危なげのないペースでしたし、実力で獲った7位だったと言えると思います。しかし、特にスタートでジャンプアップできたのが大きかったと思います。レースペースでいえばトロロッソを上回っていたと思いますけど、スタートで前に出ていなければ抜けなかったと思いますから」

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