不具合に苦しむ小林可夢偉の嘆き。
「新車を買ってくださいよ......」

  • 米家峰起●取材・文・写真 text & photo by Yoneya Mineoki

マシンに乗り込み何度も話し合いを重ねる小林可夢偉マシンに乗り込み何度も話し合いを重ねる小林可夢偉「あぁ~あ、どっかにパァ~っと遊びに行きたいなぁ! 美味しい食べ物を探して(岡山から)姫路まで行ったことあったけど、今回は神戸くらいまで行ったろか?(笑)」

 イギリスGPのときにシルバーストンからロンドンまで(約120km)夕食を食べに行くくらい豪快な可夢偉だから、何があっても不思議ではないが、そう言いたくなるくらい問題だらけの週末だった。

 これまで2台が別々の方向性で進めてきたセットアップを、可夢偉がツインリンクもてぎで「これかも」と見つけた方向性で揃えたところ、土曜のレース1でカーティケヤンのマシンは見違えるようによくなって3位表彰台を獲得した。

 しかし、同じセットアップのはずなのに、可夢偉のマシンは同じ挙動を示さない。今回初めてセットアップを揃えたからこそ、これまで可夢偉が感じていた違和感がただの違和感ではなく、たしかに何らかの不具合があることがハッキリとした。

「基本的には、2台とも同じセットアップなんです。そのはずやのに、向こうがアンダーステアやって言うてるのに、僕は『どオーバー』やったりね。それでフロントウイングを下げていったら、僕のほうが5度も角度が低かったり、そんなおかしなことがあるんです。そんなことってある? マシンのいろんなところにガタがきてるのかもしれないですね......新車を買ってくださいよ。いっそのこと、輸送中にトラックの後ろのドアが開いて、バーン!って落ちてくれへんかなぁ(苦笑)」

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