今度はペドロサ!「8戦連続で違う8名が優勝」はMotoGP史上初 (2ページ目)

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

 そう話すペドロサの表情には、安堵と喜びがありありとうかんでいた。もともとはサービス精神に富んだ性格ではないが、それだけに、勝ったときに見せる本当にうれしそうな表情や、少しだけ饒舌になる口調は、逆に非常に魅力的にも映る。

 今年で最高峰クラス11年目を迎えるペドロサは、マルケス、ロッシ、ロレンソとともに「4強」と言われてきたが、今シーズンは2戦(アルゼンチンGP、カタルーニャGP)で3位表彰台を獲得したのみで、ほとんどのレースで苦戦を続けていた。ペドロサは他の選手たちと比べて体格が小さく体重が軽いために、今年から公式タイヤサプライヤーとなったミシュランに短時間で熱を入れて的確な作動域へ持っていけないことが、大きな原因のひとつだ。

 特に15分間の勝負となる土曜の予選ではいいグリッドを獲得できず、3列目や4列目のスタートとなることも少なくなかった。また、先述のようにもともとが愛想のいいタイプではないために、成績不振とも相まって今年は連日の囲み取材でもあまり人が集まらず、レースを終えた彼に話を聞きに行くと、自分を含めて2~3人のみだったことも何度かあった。

 だが、今回のサンマリノGPで、ペドロサは金曜の初日に総合2番手を記録。それまでの不振を払拭する手がかりを掴み始めているように見えた。9月上旬にふさわしい汗ばむような陽気で、路面温度も40℃台を維持した。

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