世界のスズキファン9年ぶりの歓喜。ビニャーレスがMotoGP初優勝 (2ページ目)

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

 圧倒的に優位を保ち続けた今回のレースで、どのあたりで優勝を確信できたのか、と彼に訊ねてみた。すると、「正直なところ、最終ラップだったよ」と、21歳の若者はやや照れたような笑みで答えた。

「最後までミスしないように、とにかく全力で集中して走り続けた。ラスト4~5周で後続に4秒の差があったので、そこからはミスなくスムーズに走るように心がけた」

 スズキ復帰後の初優勝をもたらした今回の偉業に関しては、「感無量。金曜のフリープラクティスから皆で一丸となって取り組んできて、タイヤもしっかり作動したし、今日はパーフェクトに乗ることができた。昨日の予選でフロントロー3番グリッドを獲れたことが、レースのカギになった。日本でがんばってくれている人たちとチームのおかげ。次のレースでもトップを目指したいし、最終戦までがんばりたい」と話した。

 ビニャーレスとともに2015年から復帰後のスズキを支えてきた、チームメイトのアレイシ・エスパルガロは7位フィニッシュ。レース序盤に前が詰まっていたためにうまく抜け出すことができなかったことが残念、と話す一方で、優勝を飾った年少の相棒に対しては、「すごい仕事をしてのけた」と賛辞を贈った。

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