「ウイリアムズに勝った」。新ユニット投入でアロンソも自信復活 (5ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 大きかったのは、7位というその結果以上に、このパワーサーキットでウイリアムズ勢の前に立ったということだった。

「パワーサーキットであるスパ・フランコルシャンでこの結果が出せたのは、まさにパワーユニットのアップデートの成果が間違いなくあったと思います。もちろん、クルマもきちんと仕上がってよいレベルになっていたという面はありましたし、ドライバーもすごくがんばったというのも大きかったですが、長いストレートでウイリアムズに抜かれず守り切れたのは、間違いなく今回のパワーアップが効いていると思います」(長谷川総責任者)

 7位でフィニッシュしたアロンソは、満面の笑顔でこう言った。

「パワーサーキットでこんな結果が出せるなんて、1ヶ月前の時点では想像もできなかったことだ。ここでこれだけの結果が出せれば、今後は常にポイント圏内にいられると思うよ。もちろん、7位が僕らのターゲットではないけど、この半年の進化の大きさを見てみれば、それは来年に向けてとてもよいニュースだと言えるよ」

 パワーアップしたからこそスパで入賞圏を維持できたマクラーレン・ホンダが、通常のグランプリサーキットではどこまでいける力を身につけているか――。次の超高速モンツァはさらに厳しい戦いが予想されるが、彼らが"重点レース"と位置づけているシンガポールGPも楽しみだ。

 そして、今回から刷新された燃焼系に合わせて、エンジンマッピングはこれからさらに熟成されていく。加えて、残る3トークンを使って、日本GPに向けた最後の開発も進められている。来季の飛躍に向けて、1年半にわたるマクラーレン・ホンダの雌伏は最終段階を迎えようとしている。

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