「ウイリアムズに勝った」。
新ユニット投入でアロンソも自信復活

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 バトンは予選でQ3に進み、アップデートの効果を存分に披露して見せた。

「今季の進歩幅で言えば、ルノーよりも大きな進歩は果たせていますし、ギャップは明らかに縮まったと考えていますが、メルセデスAMGやフェラーリを凌駕するほどのアップデートではありません。スパのようなサーキットでは、何もしなければ下位に落ちてしまったであろうところを、アップデートしたからこそ、いつものポジションくらいのところを維持できたということなんです」

 目標どおりの数値が達成できたことを喜びながらも、長谷川総責任者はあくまで厳しい見方をした。

 一方で、問題もあった。フェルナンド・アロンソのマシンにはトラブルが続発し、金曜にMGU-H(※)のシーリングから冷却水が漏れ、新品に交換して臨んだ土曜にはエンジン油圧の低下と、結局2度のパワーユニット交換を余儀なくされてしまった。

※MGU-H=Motor Generator Unit-Heat/排気ガスから熱エネルギーを回生する装置。

 それでも幸いだったのは、これらのトラブルが今回のアップデートに起因したものではなかった、ということだ。

 チーム内では、安全を見越して旧型の「スペック2」に積み換えたほうがよいのではないかという意見も出たが、ホンダ側は性能面のメリットを考えて、同じ「スペック3」への交換を決断した。

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